初候
桐始結花
きりはじめてはなをむすぶ
7月23日~7月27日頃
感性をひらく、七十二候と日本の伝統色
七十二候と、それぞれの季節感にちなんだ日本の伝統色を取り上げ、夢彩図流の解釈を添えてご紹介しています。季節や色に意識を向けることは、五感をひらくことでもあります。
AIが台頭するこれからの時代は、直感や閃き、心の動きを受け取る感性が、これまで以上に大切になっていくのではないでしょうか。それが人間らしさや創造性につながるように思います。古くからの暦と色名を手がかりに、感性をひらくお手伝いができれば幸いです。
二十四節気・七十二候
現在の二十四節気
たいしょ
7月23日~8月6日頃
一年で暑さが最も厳しく、夏の盛りを迎える頃。
大暑の七十二候
初候
きりはじめてはなをむすぶ
7月23日~7月27日頃
次候
つちうるおうてむしあつし
7月28日~8月1日頃
末候
たいうときどきふる
8月2日~8月6日頃
季節のひと色
- きりむらさき -
桐の花を思わせる、やわらかで品のある紫色。これから結ばれる花のように、未来へつながる希望をそっと支えてくれそうです。
本日の七十二候
きりはじめてはなをむすぶ
桐が来年へ向けて花芽を結びはじめる頃。盛夏のただ中に、次の季節へつながる準備が静かに進みます。
感性をひらく、七十二候と日本の伝統色
現代人が一日に触れる情報量は、江戸時代の一年分、あるいは平安時代の一生分とも言われることがあります。正確な比較は難しいものの、私たちが日々、膨大な情報に囲まれて暮らしていることは確かです。
だからこそ、理由もなく気忙しい。そんな感覚を覚える方も、少なくないのではないでしょうか。限られた時間の中で、いかに効率よく、正確に物事を進めるか。そうした在り方が求められ、評価されてきたことも、現代社会の特徴のひとつと言えそうです。
けれど、これから先はどうでしょうか。
AIの進化と普及によって、効率や正確さをめぐる価値観は、少しずつ変わっていくのではないかと感じています。処理の速さや正確さだけを比べるなら、人間がAIに敵わない場面は、すでに数多くあります。
一方で、AIは美しさを判断することはできても、人間のように季節の気配を感じ取り、そこに願いや記憶を重ねることはできません。だからこそ、これからの時代には、直感や閃き、心の動きを受け取る感性が、これまで以上に大切になっていくように思います。
季節を感じることは、五感をひらくことでもあります。
風の匂い、光の色、草木の変化、鳥や虫の気配。そうした小さな季節のうつろいに目を向けることは、慌ただしい日々の中で、自分自身の感覚を取り戻すきっかけになるのではないでしょうか。
「季節のひと色」では、七十二候の各候と、それにまつわる日本の伝統色を、五日ごとにご紹介しています。古くから受け継がれてきた季節のまなざしと色の名前を通して、日々の暮らしに、ささやかな彩りと余白を添えられたら幸いです。
二十四節気は、一年を二十四に分け、約十五日ごとに季節の移り変わりを表した暦です。七十二候は、二十四節気をさらに三つに分け、一年を七十二、約五日ごとの小さな季節として捉えたものです。
たとえば、「蓮始開(はすはじめてひらく)」や「鷹乃学習(たかすなわちわざをならう)」のように、各候の名前には、草花の様子や鳥、虫、動物の動きなど、自然の細やかな変化が表されています。
こうした暦の考え方は、古代中国で生まれ、朝鮮半島を通じて日本に伝わりました。日本では、6世紀頃に百済から暦法が伝えられたとされ、その後、時代を経ながら日本の気候や風土に合わせて整えられていきました。
二十四節気や七十二候は、季節の移ろいを知る目安であるとともに、農作業の時期を考えるうえでも大切にされてきました。種をまく時期、田植えや収穫の頃合いなど、自然の変化を読み取りながら暮らしてきた人々にとって、暦は日々の営みに寄り添う身近な指標でもあったのです。
四季のある日本ならではの多彩な色
日本には、古くから受け継がれてきた多くの色名があります。
桜、藤、若草、山吹、藍、茜、紅葉、鼠色など、その名前の多くは、草花や空、土、光、季節の景色など、身近な自然の姿と深く結びついています。
四季の移ろいのある日本では、わずかな色の違いや、季節ごとの気配を繊細に捉え、それを暮らしや装い、工芸、菓子などの表現に取り入れてきました。平安時代の装束に見られる「かさねの色目」や、季節の花鳥風月を表す和菓子などにも、そうした色彩へのまなざしを見ることができます。
ただ効率を求めるだけであれば、色に細かく名前をつけたり、季節に合わせて色を選んだりする必要はないのかもしれません。
それでも人は、色に心を寄せ、そこに季節や記憶、願いを重ねてきました。
色を意識することは、受け継がれてきた日本の感性に、あらためて目を向けることでもあります。
「季節のひと色」では、七十二候それぞれの季節感にちなんだ日本の伝統色を取り上げ、夢彩図流の解釈を添えてご紹介しています。古くからの色名を手がかりに、日々の暮らしの中で、季節の彩りを感じていただければ幸いです。
季節の移ろいを五日ごとにお届けする「夢彩図五日便り」と、こちらページのようなカスタム機能制作を通して、感性を育みながら、その方らしい表現や発信を育むお手伝いをしています。
当ページでは、二十四節気と七十二候について、一般的な暦をもとにご紹介しています。実際の日付は年によって前後する場合がございますので、正確な日付が必要な場合は、各年の暦をご確認ください。
また、伝統色については、古くから伝わる色名や色合いを参考にしながら、夢彩図独自の解釈を添えてご紹介しています。
暦や色の移ろいを感じる読みものとして、お楽しみいただけましたら幸いです。