物語のあるWeb
2015.08.01
映画インサイドヘッドを観てきました。舞台は女の子の頭の中。喜びや悲しみ、怒りなど感情をモチーフにした個性豊かなキャラクター達が、女の子を幸せへ導くために物語を繰り広げます。
一般的に、ポジティブ思考はいいこととされていますし、私自身も前向きに考えることは大切だと思います。ですが、本当はツライのに、その感情を無視して、無理に明るく振舞おうとするのは、はたから見ていてもツライですし、何より不自然です。
この映画は、そんな行き過ぎたポジティブ思考に警鐘を鳴らしているのでは、そんな風に感じました。悲しみや怒りなどは、一般的に、あまりよくない感情と思われているかもしれません。ですが、そのようなネガティブといわれる感情にも意味があるのではないでしょうか。例えば悲しみ、悲しいという感情を味わうことで、相手の気持ちに寄り添う優しさが生まれます。ムカムカ不快な感情は、どうしたら快適に過ごせるだろうと考えるきっかけになります。どの感情も受け止めて味わうことで、本来の力が充分に発揮されると思うのです。
これは、風水などのベースになる考え方、「陰陽説」にも通じるように思います。「陰陽説」とは、『すべてのものには「陰」と「陽」があり、その二つの気は、対立しあいながらもお互いを支えあう関係』という説です。例えば「男と女」。陰陽説において、女は「陰」、男は「陽」とされています。この「陰」と「陽」が、時には対立しあいながらも、支えあうことができたなら、1+1=2以上の力が生まれるはずです。
四柱推命に詳しい方にこんな話をきいたことがあります。物語にも陰と陽があって、両方の要素が含まれている物語は心を捉えるから、語り継がれたり人気が集中することがあるのですよ、と。確かに、良かったこと、うまくいったことだけを聞いても、「良かったね」とは思うものの、感動して心震えるようなことはないように思います。これは「陰」の要素がないからだと思い至りました。やはり「陰」と「陽」両方の要素が一緒になったとき、心を揺さぶるようなパワーが生まれるのでしょう。
そんな物語を、ビジネスに取り入れるのも面白いのではないでしょうか。物語は太古の昔から、権力者が自分の思想や正当性を広く伝えるために使ってきました(参考サイト)。天照大御神などもその一例ではないかと思います。そんな物語の力をビジネスに取り入れるのも面白いと思うのです。貴方のビジネスにはどんな物語があるでしょう・・・考えるとワクワクしませんか?(笑)